いちばん一般的な“夏まき秋どり”栽培について

 

夏まき秋どりの白菜は白菜の作型・栽培法としてもっとも一般的で、名前のとおり、8月末に種を播き12月に収穫します。栽培の押さえどころは、品種の選定です。

 

この作型では生理障害(病気などによるダメージ)に強い品種を選ぶことがたいせつで、「黄ごころ65」、「黄ごころ80」が最適とされます。また苗づくりもポイント。育苗期が温度の高い夏場になるため、育苗管理に注意しないと苗が徒長(むやみに長くなること)して根張りがわるくなりセルトレイ(育苗用のトレイ)から抜けにくくなります。

 

苗の徒長を防ぐためには適切な灌水(水やり)が必要です。以上、品種の選定と育苗管理の2つが、もっとも白菜栽培で失敗しやすい点となることを覚えておきましょう。

 

白菜の生理障害には、葉にごま粒状の斑点が出るゴマ症(チッソ過剰)、新葉の緑が褐変するホウソ欠乏症があります。生理障害の出にくい品種であっても、生育のバランスが乱れるとこれらの症状が一時的に発生することがあるので、育苗管理にはくれぐれも気をつけて。生理障害の生じた白菜は品質が落ち、収穫の楽しみも半減以下になってしまいます。育苗管理といってもむずかしいものではなく、単純なルールを守ればいいのです。